[構想案] 中高校生へのキャリア開発及びインターン企画

背景

地域にとっての課題の一つとして、若者が高校を卒業すると都心部へ行ってしまうがあります。2020年の国勢調査では、秋田県では5年間の人口減少率が6%であり、その多くは若者でした。少子高齢化が進み、さらに少ない若者が都心部へ行くことで、さらに少子高齢化が進むというループになっており、この傾向は秋田県だけに限らず、都市部以外の地域については続いています。

若者が高校を卒業すると、大学や専門学校へ進む、もしくは就職をしますが、そのどれもが、都市部に集中しているのが大きな要因となります。大学で言えば東京を中心とした首都圏に集中しており、毎年、約7万人の若者が、日本中の地域から東京へ進学します。就職先で言えば、2020年の有効求人数が全国で24万件あり、そのうち、東京/名古屋/大阪/福岡の合計が8万件以上と大きく、また、都市部は最低賃金も高く給与水準が良いため、より都心部へ就職を希望する人が増えています。

一方、インターネットやPC等の発展で、在宅ワークが広まり、都市部の会社に勤めながら、住む場所に制限が無い会社も増えています。まだまだ始まったばかりですが、5年後には住む場所に制限がない会社が相当数に増えることが期待されており、地域で都心部の会社に勤める、が普通になる時代が来ます。

また、人は本能として自然や家族とのつながりをとても大切にします。兼業で農家や漁業をしたり、祖父母や親兄弟と一緒に住んでいたい人はたくさんおり、技術の発展で、これまでできなかったことができるようになってきました。

提案概要

そこで、まず、地域に住む中学生や高校生に、働き方の多様性を知る機会を作ります。実際に在宅ワークをしている方に、働き方やそのために必要なものなどを教えて頂き、都心部に転居しなくても、都心部の会社の仕事ができること、色々な働き方があることを知って頂きます。

次に、地域の仕事を知る機会を作ります。地域に住む中学生高校生に、地域企業へ少しだけインターンで働いて頂き、地域の会社がどんなことをしていて、自分に合っているか、を知る機会とします。また都心部の大学生からもインターンを募集し、地域企業でのインターンを通して、仕事を知って頂き、自分に合っているかの確認をして頂くことを行います。

もう一つとして、仕事を作る機会を作ります。地域の中学生高校生に地域課題を解決するビジネスを提案して頂き、それが実現するように伴走することで、地域に住んだまま地域で起業して、住み続けながら地域課題を解決していきます。

具体的な進め方

1)キャリア教育
地域で、上記のような取り組みにご興味を持って頂ける学校へ、実際に在宅ワークをしている方による多様な働き方実例やキャリア教育を行います。説明することに加えて、Q&Aやワークショップの時間を設けることで、より深く理解し、多様な働き方を肚に落として頂きます。

2)インターン
本業である勉強を阻害しないように、地域企業での具体的な業務を、伴走支援しながら行います。キャリア教育を通して、地域の会社について興味があり知りたいという学生に対して、地域企業と調整のうえ、無理のないようにインターンを行います。また、都心部の専門学校や大学に対してもインターンの募集を行い、地域で働いてみたい学生に地域企業の具体的な業務を行って頂くことで、地域や地域企業を知って頂き、自分に合うか否かの確認を行っていきます。具体的な業務に加えて、地域課題の解決にも取り組んで頂くことで地域への理解を深め、地域への愛着も形成していきます。

3)ビジネスの検討と実現
地域には課題も多いですが、資源も多いです。上記1)2)を行ったうえで、具体的な地域課題を解決するビジネスの検討を行って頂きます。すぐに実践できるものは伴走しながら実践を進め、実践が難しいものについては、都心部の企業等へ提案、プレゼンテーションを行うことで、都心部の企業からの支援を頂き、実践を進めます。